変化があったのは、2時間ほど経った時だった。
彼女達は飽きて歌うのをやめたのだ。

だが、それでもオトコのペニスが刺激される事は無かった。
彼女達はシートやテーブルに座り、
オトコを無視して会話を始めたのだ。

「…でさぁ、そいつのポコチン蹴り飛ばしてやったの」
「キャハハハハ」
「そいつ痛がって、馬鹿みてーにぴょんぴょん跳ねやがってさ、
とにかく笑えんだよ。ハハハハハハ…」

リンチの話で盛り上がる彼女達。
縛られた場所から斜め上を見上げると、
彼女達の一人のふとももの裏側が覗けた。
白いふとももが、彼女の笑い声にあわせて小刻みに揺れる。

オトコは興奮して、息を荒らげた。

「…馬鹿だよなぁ、あいつら。そうやって蹴られても勃起しやがるんだから」
「しまいには射精したりとか?あ〜、キモ」

…もう少し近付けば、スカートの中が見えそうだ…
だが、縛られたオトコは決して彼女達に近寄る事ができない。

「…あの白くて汚い液バラまきやがる部分をつけてるってだけでも、オトコはムカつくよ」
「ゴミみたいな生き物のゴミみたいな器管からゴミみたいな液体が出やがるんだから、信じらんないよ」
「あいつらイジめて遊んでると、時々やつらのあの液がかかったりしてさぁ、ほんと殺したくなるよね…」

オトコは彼女達から完全に無視されていたが、
「オトコ」という生き物を馬鹿にした彼女達の話の内容が、
まるで自分をけなしてるようで、
オトコの被虐的な興奮を書き立てた。

蹴り飛ばされたい願望で、先走り液があふれ、ペニスがべとべとになる。
だが、それでもオトコは無視され続けた。

「…先週オトコ苛めてた時あの汚い液かけられて…」
「うわ、かわいそ」
「んで、マジ切れしたね。幸いちょっと脚にかかっただけなんだけど〜、
ぶち切れちゃってさ〜、ピンヒールはいてたんだけど、本気で玉がんがん蹴ってさ〜。
手で覆いやがったら手ごと蹴り飛ばしてたら、痛がって手ぇどけてさ〜、
最後には精液に血が混じってた」
「キャハハハハ、いい気味」
「汚ね〜のぶっかけやがったんだから、このくらい当然の報いだよ」

苛められたさにペニスがぴくぴくと揺れ続けるが、
それでもオトコは全く相手にされない。
妄想だけがオトコの頭の中を駆け巡り、
焦燥感だけがオトコの心を支配する。

「…じゃ、そろそろ帰ろっか」

彼女達の一人がそういうと、カラオケは突然終わりを告げた。
彼女達はカラオケの料金すら払わず帰ってしまう。

部屋には、勃起を揺らしたオトコだけが残された。

彼女達が店員に何も告げなかったのか、
部屋にはいつまでたっても誰も来ない。

物音すらしない部屋に一人残されたオトコは縛られたまま、
彼女達の記憶をオカズに妄想し続ける事しかできなかった。











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